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“老い”を描き、上演の相次ぐ『リア王 』
シェイクスピア悲劇の最高峰に名匠森新太郎は今、いかに挑むのか。



シェイクスピア四大悲劇の一つ、『リア王』は 老境を迎える王が、権力も領土も娘たちの愛も全て失って転落するさまを描きます。“老い”、“世代交替”、“相続”等、超高齢化社会の現代日本が抱える切実な諸問題を映し出す傑作ゆえに、近年とみに上演されることが多く、同時代の名優が相次いでリア王役を演じる注目の作品となっています。今回、本作に挑むのは、日本演劇界を牽引する名演出家の森新太郎です。ミュージカルから古典劇まで幅広く手掛ける作品はいずれも現代性、社会性が透徹しており、特にシェイクスピア劇の演出で見せる鮮やかな手腕は高く評価されています。本作は悲惨な結末に突き進んでいく、救いようのない人間たちのドラマです。現代の世界を見渡しても、人類を滅亡に導きかねない諸問題を前に、なすすべもなく手をこまねいているのが私たちです。岡田新芸術監督の、”徹底的にヴィヴィッドに”というお題に応えて、森は、何の楽観的な救いもない、絶望に満ちた本作を通して、今に何を問うのか。期待の高まるところです。

内野聖陽、念願のリア王 役!
個性豊かな実力派キャストが結集!



シェイクスピアのヒーローの中でも最難関のリア王を演じるのは内野聖陽。舞台、映画、テレビと各方面で活躍し、いま最も充実した仕事ぶりを見せています。硬軟・老若取り交ぜ、多彩な役どころを演じる力量には定評があり、いずれもが強烈な印象を残す、はずれ知らずの50代。昨年WOWOW連続ドラマW「ゴールドサンセット」で、シニア劇団で「リア王」を演じる謎の老人を演じました。それ以来この役に寄せる熱い思いが、今回の出演につながりました。内野は当劇場で、同じくシェイクスピア四大悲劇の『ハムレット』を 2017年に演じました。シェイクスピアの主人公の中でも最も聡明な、全てを知りつつ破滅する若いハムレットを48歳で演じ、いま57歳にして、最も愚かで無知なまま滅びていく老境のリア王を演じる・・・四大悲劇の両極にある二大ヒーローを10年のうちに演じる、このふり幅こそが、その真骨頂です。演出の森とは、『東海道四谷怪談』『THE BIG FERRAH』に 続く三度目のタッグになります。このコンビの元に、魅力あふれる俳優陣が結集します。リアの長女を川上友里、次女を内田慈の舞台・映像で活躍めざましい個性派の二人が、三女 コーディリアと道化の二役を若き実力派 清水くるみが演じます。リアの重臣で悲惨な末路をたどるグロスターに山路和弘、最後まで忠義を尽くすケントに杉本哲太のベテラン勢。グロスターの私生児で親兄弟を裏切り、リアの娘たちを篭絡する悪漢エドマンドを前田公輝、嫡男ながら陥れられ辛酸をなめるエドガーを井之脇海のフレッシュな顔ぶれが演じます。長女と次女の夫は、和田正人大山真志、従者オズワルドは永島敬三の演技派 が固めます。全ての登場人物が、愛に飢え、人を信じず、状況を見誤って転落していくすさまじいドラマを、この顔合わせにより怒涛のごとく熱く激しく描きます。

ストーリー

長年王国に君臨した絶対権力者のリアは、王位と領土を譲渡すべく、娘たちの愛情を試す。甘言を口にする長女・次女をいさめて王に苦言を呈する三女コーディリア。最愛の末娘の不愛想な態度に激怒したリアはコーディリアを勘当し、長女・次女に領土を分割する。しかし頼った二人はリアを歓迎しない。その非道な仕打ちにリアは出奔し、道化とともに荒野で狂乱する。

一方、臣下のグロスター家では、私生児のエドマンドの策略に嫡男エドガーが陥れられ、逃走。
エドマンドはリアの長女と次女それぞれを篭絡して権力の座を目指す。

悲惨な境遇の中で狂気に陥るリア、エドマンドの裏切りでとらわれて目をくりぬかれるグロスター。
フランス王に嫁いだコーディリアはリアと再会を果たし、二人の姉に戦いを挑む。

姉二人はエドマンドの愛、互いの領土をめぐって対立を深める…血で血を洗う抗争はやがて悲劇の結末を迎える……